マクロ化端末の利用傾向(時間帯別平均と標準偏差の推移)
これまでのデータ検証から各メンバーの増分値(5分間でのウォッチ数増加量)の平均値と標準偏差との関係は、標準偏差がその時間帯の特性やウォッチ行動の傾向によって大きく影響を受けていることがわかった。標準偏差は平均と標準偏差の章でも説明したとおり、データのバラツキを示すものである。今までにも述べてきたように、普通こうしたウォッチ活動のような単純作業を長時間継続する場合、一定のスピードで作業を継続するのは難しい。人がこうした単純作業をある程度の時間続けていると休憩などが必要となり、どうしても作業効率が落ちてくるのが一般的である。そうしたことを防ぐために各メンバーは毎時10分とか30分とか時刻を決めて、短期集中で時間内でできるだけ多くのウォッチ数を稼ごうと工夫をしていたわけだが、逆にそういう時間を作ると他の時間との間に増分値の差ができ、データのバラツキが発生して標準偏差は高い値になる。
ところが各メンバーの活動の時間帯を一定の間隔に分け、その時間帯毎に平均値と標準偏差を求めると、時間帯によっては平均値に対する標準偏差の比率が非常に小さくなっている時間帯がある。つまり、データのバラツキが非常に少なく、その時間帯では一定の範囲内で増分値が推移していたのである。言い換えれば通常発生するはずの人手によるデータのバラツキが起きていない時間帯が発生していたということになる。こうした時間帯が発生する要因として考えられるのがマクロ化端末の利用である。マクロ化端末についてはマクロプログラムによる連続処理の章に詳しく説明しておいたが、要はスマホのタップやパソコンのクリックを人手を介さず機械に自動的に操作させることでウォッチ作業を代行させる行為である。機械にやらせるわけだから当然途中で疲れることもなく、イヤになることもないので一定量の作業量が連続して行われることになり、ウォッチ数はほぼ一定量で推移することになる。当然その時間帯での増分値に手動でウォッチ活動に参加している人のデータも含まれる訳だが、自動化で稼ぐウォッチ数の方がはるかに多ければ、全体の中でその手動分のバラツキの割合は低くなり、標準偏差の値は小さなものになる。こうしたことは人が就寝している深夜/早朝や、仕事やイベント参加など他のことをやっている昼間の間に発生することが多い。
こうした状況を踏まえて、ウォッチバトルを主催した各雑誌社毎に最終日前の3日間の増分値を3時間毎に分け、平均値と標準偏差を計算しそのデータ推移について調査した。このデータ推移を見ることでどのメンバーのどの時間帯にマクロ化端末の利用が多いかが如実にわかる。但し、平均値に対する標準偏差比率が高い時間帯だからと言ってマクロ化端末を利用していなかったとは言えないが、標準偏差比率が低い時間帯は人手による作業だけでずっと継続されていたとは認めがたい。この結果は各グループによっても違うし、メンバーによっても違っており、非常におもしろいものとなった。
一応、755運営事務局はウォッチバトルに関してマクロ化端末の利用をルール違反としていたが、このサイトでは特にその行為を否定するものではない。マクロ化端末を増やすこともある意味ではそのメンバーのウォッチ数を上げたいというファンの熱意の表れでもあり(当然ファンはその分のスマホを追加購入したり、パソコンを用意したりするわけだから)、機械が自動的に処理しているとは言え、あくまで755端末アプリを稼働させてウォッチ活動をするという利用方法を踏襲しているので、そこでの端末アプリの処理能力以上にはウォッチ数を稼ぐことはできない(処理能力の低い端末では自動化を行うことによって必ずしも人手による作業量を上回るとは限らない)。
問題なのはそうしたマクロ端末を増やすという方法では起きえない大量のウォッチ数増加があったかどうかという点にある。もし他のメンバーが通常ではできない方法によりそうしたことが起きていたとしたら、その行為は不正行為であり、不正な方法によって結果をねじ曲げ、利得を得たと言われてもやむを得ないということになる。
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