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仮想データ2

ここでは上西のデータを加工し、より実態に近い状態を想定してそこから見えてくる事実に迫っていきたい。

前章で高柳の測定値に加速度を与えた数字を加えると上西の測定値に近いものになることがわかった。であるならば逆に上西の値から加速度をつけたものを引いたら本来の姿に戻るはずである。
下の表の人工値は初期値200,000としそれに5分毎に前値の1.1倍の加速度をつけて作成した数字である。そして上西の実測値から人工値を引いたものを予想値として作成し、その変動を仮想変動とした。

 
高柳    上西  
日時 実測値 高柳変動 日時 実測値 上西変動   人工値 予想値 仮想変動
2015/5/8 22:10 162,502   2015/5/3 22:10 333,844     200,000 133,844  
2015/5/8 22:15 155,536 -6,966 2015/5/3 22:15 370,812 36,968   220,000 150,812 16,968
2015/5/8 22:20 154,228 -1,308 2015/5/3 22:20 393,194 22,382   242,000 151,194 382
2015/5/8 22:25 153,428 -800 2015/5/3 22:25 428,024 34,830   266,200 161,824 10,630
2015/5/8 22:30 159,774 6,346 2015/5/3 22:30 445,875 17,851   292,820 153,055 -8,769
2015/5/8 22:35 166,677 6,903 2015/5/3 22:35 466,007 20,132   322,102 143,905 -9,150
2015/5/8 22:40 171,760 5,083 2015/5/3 22:40 504,994 38,987   354,312 150,682 6,777
2015/5/8 22:45 150,703 -21,057 2015/5/3 22:45 543,538 38,544   389,743 153,795 3,113
2015/5/8 22:50 150,435 -268 2015/5/3 22:50 547,701 4,163   428,718 118,983 -34,811
2015/5/8 22:55 151,361 926 2015/5/3 22:55 645,501 97,800   471,590 173,911 54,928
2015/5/8 23:00 154,896 3,535 2015/5/3 23:00 684,562 39,061   518,748 165,814 -8,098
上西恵755写真集:予測変動率比較

仮想変動を元にして変動率を計算し、それをグラフ化したのが上のグラフだ。どうだろう、水色のラインが実際の上西の測定値、黄色のラインが高柳の測定値を元にしたグラフであるが、このグラフからわかるのは、本来同じような母集団を持つ二つのグループの変動域が全く違っているのに、上西の値から作成した仮想値を元にした変動率を計算したところ、そのグラフ(オレンジ色)は高柳のもの(黄色)と非常に似通った変動幅をもつものになった。

そして上西の仮想値には実測値と比べ大きな違いがある。今までマイナス域の値を持たなかった上西の変動率が、仮想値で計算した途端、その領域の値を含むようになったということだ。何度も言うようだが、マイナス域の値を持つというのは、疲れてきて作業能率が低くなったり、しばらくやって飽きてしまい途中で作業をやめてしまう者が出たりすることを意味する。この時間帯の上西の値は常にプラス領域で変動しており、そういった者の存在が一切見受けられなかった。この時間帯における上西の増分は5分間で300,000から700,000もの値を示しており、平均でも500,000カウント程度である。それは同時に平均で1分間に100,000カウントと発生していたということになり、1人が40カウント/分としたら2,500人が参加していることになる。この実測値からはそうした数の人間が疲れも見せず日曜日の夜に一心不乱に1時間近く作業を行っていたということが見て取れる。そんなことが起きていたと言われてあなたは信じられるだろうか?私は人が時速100Kmで走っていたと言われるのと同じぐらい信じられない。

そして、この仮想変動を用いた変動率の推移は、同時にこの時間帯における上西を支援する者たちの行動をよく表しているものとなった。この時間帯には上西が古畑を急追し、もう少しでW数が追いつこうかとしている状況だった。そうした状況の中、同じNMBのメンバーやファンはツイッターなどのSNSツールを使い、今回のイベントに参加するように呼びかけたそうだ。このグラフを見るとそうしたことが功を奏したのではないかと推測される。呼びかけにすぐ反応できた者は22:10を過ぎたあたりに集中し増分値を押し上げており、そうではなかった者や遅れて参加した者は、いつも上西が毎時50分に行っている集中ウォッチのタイミングでもある、22:55に多くの参加者が発生している状況が見られる。こういったデータの動きであればSNSでの呼びかけや前日までの行動パターンを踏襲した動きが見られ、自然なデータ推移だということが言えよう。

21時台から発生していたこの不思議な急追撃に多くの参加者が気がつき、上西サイドで参加していた者はその勢いに興奮し、その想いを持ったまま変動率0%付近でペースを維持できていたのが22:15からのおよそ30分間程度であろう。しかしどうしても疲れが出始め少しずつペースが落ちてマイナス傾向になってやめてしまう者が出てきたのが22:45過ぎあたり、だがその後にSNSなどでこの盛り上がりを知った多くの人が、野次馬的に22:50過ぎあたりからイベントに参加し始めたのではと推測される。この仮想値から推測される22:55時点の変動値は54,928/5分であり、これは約10,986/分となり、1台40/分で計算するとおよそ275台の参加者が5分間で増えたことになる。まあ、何十万人ものフォロワーのいるメンバーたちが発信したのであれば、こんなイベントに急遽参加する人間がそのくらいいてもおかしくはないだろう。しかし、上西の実測値では333,844/5分(21:10)から684,562/5分(23:00)と50分間ほどで約350,000/5分もの増分値の変化が発生している。350,000/5分となると70,000/分となり、1台40/分で計算する1,750台もの端末が新たに増加したことになる。例えメンバーたちがどんなに情報発信して煽るようなことをしても、今までやっていた人が辞めることもなく、1,700人以上もの人が1時間近く連続して、自然増で尚且つ5分毎定量的に増えていくことなどはあり得ない(第一そんなに熱心な人がたくさんいたら、もっと以前から参加しているだろうに)。

 仮想データまとめ
 上西を応援していた人たちの中には「自分たちは一生懸命一心不乱に頑張っていた。」という人がたまにいるが、少し考えればわかることだが、一生懸命頑張っていてもその人が1台でやっている限りに於いては一定数以上増分値(5分間あたりのウォッチ数)が増えることはない。このウォッチバトルで普通のやり方をしている限りに於いては、それぞれの端末側755アプリの動きに反応速度の限界があるので、その反応速度以上にウォッチ数を増やすことはできない。増分値を増やすためには端末を増やすか、参加する人を増やすしかない。個人が一生懸命頑張ってウォッチ活動をしてもせいぜい現状のウォッチ数を維持するか、疲れが増して作業効率が悪くなり、若干数字が落ちていくことさえ考えられる。こうした単純作業で増分値を連続して増やすということが、どれほど大変かということがわかっていない人が多いようである。

この22:15〜23:00の間での仮想値を用いた増分は合計で1,657,819、実測値の合計が5,364,052だから、私の推論が正しければこの時間帯だけでも3,706,233もの値が、人手によらない別の力で加えられたものと言える。たった45分ほどの間にもかかわらず、それだけの値が不思議な力で加算されたことになる。

では具体的にこのような不思議な力でW数を増やすことが本当に可能なのだろうか。次からはその方法論について考えてみる。


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